沖縄からの便り
桜の花便りがあちらこちらで聞かれるころ、沖縄から一本の電話がありました。電話の向こうで「覚えていますか」という声に私の記憶は9年前によみがえっていきました。覚えていますとも。
清がアパートの一室に構えたアトリエ(愚々庵)があった隣の部屋に、その電話の主である若者Iさんは住んでいました。
「ミュージシャン志望で沖縄から来ていて・・・」ということを清から聞いたことがあります。長い期間ではありませんでしたが、二人の間に交流があったようです。清が亡くなった時は、そのIさんは大変悲しみ自宅まで訪ねてきてくれました。
「良くして頂きました。」といって彼は清の写真を眺め、一篇の詩に心を留めました。その詩は日吉の写真学校の生徒さんで韓国からきているYさんが書いた詩「風と共に」でした。彼もまた清の死を悼み、詩を供えてくれたのです。Iさんは「書いてもいいですか?」といって、その詩を書きとめていきました。
数日後、彼が「イメージが出来たから」といって再び私のところを訪ね、清の写真の前でその詩にメロディをつけてアカペラで歌ってくれました・・・。
時は流れ、
Yさんは韓国に戻り、Iさんも5年前に沖縄に戻っていたそうです。電話の向こうの彼は続けました。
「先生はインディーズでやっていたので、僕もインディーズでやっていこうと思いました。」写真集を自費出版で出すことを、彼は“インディーズ”という言葉に置き換えたのでしょう。
沖縄で彼は「クローバー」というバンドでライブハウスで歌い、CDを作り、音楽活動を続けているそうです。
「2枚目のアルバムにこの「風と共に」を入れたいのだが・・・」という彼の求めに、韓国のYさんも快くOKしてくれ、そして、クローバー2枚目のCDはリリースされました。
『君の香りを風と共に 飛ばせ大地を包むように・・・』
どこかコズミックな感じの曲でした。韓国-沖縄-横浜を結んでその魂は宇宙に漂っているような感じです。
がんばれクローバー!
そして、鈴木清の写真もまた多くの人々の心に触れ、幸せにしているのでしょうか。
バンド「クローバー」のブログ
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